痛いけれど仕方ないと感じながら入れ歯を使い続けている方はいらっしゃいませんか。
食事のたびに外れやすさを感じても「入れ歯とはそういうもの」「年齢的に我慢するしかない」と思い込んでしまうケースも多く見られます。
しかし、入れ歯は本来、食事や会話を支え、日常生活を快適に過ごすためにあります。
噛めない、痛い状態を我慢し続けることが、必ずしも正しいとは限りません。
この記事では、入れ歯が噛めない、痛いと感じたときに考えてほしいポイントや、原因、対処法、そして入れ歯治療を受ける際に知っておきたい考え方について、分かりやすく解説します。
入れ歯が噛めない、痛い時考えたいこと

入れ歯の不調を感じた時「仕方がない」と考えてしまう方も多くいらっしゃいます。
しかし、入れ歯は作って終わりの治療ではなく、状態に合わせた調整や見直しがとても重要です。
入れ歯は作れば終わりではない治療
入れ歯治療は、完成した時点で終わりではありません。
実際に使い始めてから、お口の中に合わせて調整を行い、徐々に馴染ませていく治療です。
どれだけ丁寧に作られた入れ歯であっても、最初から完全に違和感なく使えるとは限りません。
使いながら調整を重ねることで、噛み心地や安定感が向上していきます。
年齢やお口の状態によって合わなくなることがある
お口の中の状態は、年齢とともに少しずつ変化します。
歯ぐきや顎の骨は時間の経過とともに痩せていくため、以前は問題なく使えていた入れ歯が合わなくなることもあります。
この変化は自然なものであり、自分の使い方が悪いと感じる必要はありません。
噛めない、痛い入れ歯で起こりやすいこと

合わない入れ歯を使い続けることで、噛みにくさや痛みだけでなく、生活全体に影響が出てくることがあります。
最初は小さな違和感でも、気づかないうちに負担が積み重なってしまうケースも少なくありません。
食事がしにくくなる
噛みにくい入れ歯を使い続けると、無意識のうちに柔らかいものや噛みやすいものばかりを選ぶようになり、食事の内容が偏りやすくなります。
硬いものや繊維の多い食品を避けるようになることで、食事の幅が狭くなり、本当は食べたいのに食べられないという状態が続いてしまうこともあります。
このような状況が続くと、食事そのものが楽しみではなくなり、食事時間が苦痛に感じられるようになることも少なくありません。
歯ぐきが痛む、傷ができる
入れ歯が合っていない状態で無理に使い続けると、傷ができたりすることがあります。
小さな痛みでも我慢して使い続けていると、炎症が慢性化し、治りにくくなることもあります。
さらに、歯ぐきの炎症が続くことで、入れ歯の当たり方が変わり、ますます合わなくなるという悪循環に陥ってしまうケースもあります。
外れやすい、動いてしまう
会話中や食事中に入れ歯が動いたり、外れそうになったりする感覚は、大きな不安につながります。
「人前で外れたらどうしよう」という心配から、外出や会食を避けるようになる方もいらっしゃいます。
入れ歯の不安定さは、噛む力が十分に発揮できない原因にもなり、食事のしにくさをさらに強めてしまいます。
発音や会話がしにくい
入れ歯が安定しないと、発音がしにくくなり、特定の音が出にくいと感じることがあります。
話している途中で入れ歯が動く感覚があると、会話に自信が持てなくなることもあります。
こうした不安は、家族や友人との会話だけでなく、電話対応や外出先でのやり取りにも影響し、日常生活の質を低下させてしまいます。
食事量の低下
噛めない状態が続くと、食事量が減ったり、食べる回数が少なくなったりすることがあります。
その結果、栄養バランスが崩れ、体力の低下や体重減少につながるケースもあります。
入れ歯の問題は、お口の中だけの問題ではありません。
噛む力の低下は、消化や全身の健康状態にも影響するため、早めに対応することが重要なポイントです。
入れ歯が合わなくなる主な原因とは?

入れ歯が合わなくなる理由は一つではなく、複数の要因が重なって起こることが多いです。
原因を知ることで、「なぜ不調が出ているのか」を冷静に理解しやすくなります。
歯ぐきや顎の骨の変化
歯を失った部分の歯ぐきや顎の骨は、時間の経過とともに少しずつ痩せていく性質があります。
これは加齢による自然な変化であり、どなたにでも起こり得るものです。
顎の骨が痩せることで、以前はぴったり合っていた入れ歯との間に隙間が生じ、ズレの原因になります。
「作った当初は問題なかったのに、だんだん合わなくなってきた」と感じる場合、この変化が関係していることがあります。
入れ歯のすり減り
長期間使用した入れ歯は、噛む力の影響で人工歯がすり減ったり、入れ歯の土台部分が変形したりすることがあります。
こうした変化は、見た目では分かりにくい場合も多く、まだ使えそうと感じていても、噛み合わせに影響していることがあります。
すり減りや変形は、噛みにくさや痛みの原因になるため、定期的なチェックが重要です。
噛み合わせのズレ
噛み合わせは、日常の癖や姿勢、残っている歯の状態の変化などによって、少しずつ変わっていきます。
噛み合わせがズレると、特定の部分に強い力がかかり、痛みや噛みにくさにつながることがあります。
入れ歯だけでなく、お口全体のバランスを見直すことが必要になるケースもあります。
部分入れ歯による残っている歯への負担
部分入れ歯は、残っている歯を支えとして使うため、その歯に負担が集中しやすいという特徴があります。
支えとなる歯が弱くなったり、動いてしまったりすると、入れ歯全体の安定性が低下します。
残っている歯の状態は、入れ歯の使い心地に大きく影響するため、部分入れ歯の場合は特に注意が必要です。
「その入れ歯、作り直しが必要?」見極めのポイント

入れ歯が合わないと感じた時、すぐに作り直しが必要とは限りません。
調整で改善できる場合と、作り直しを検討した方がよい場合を見極めることが大切です。
調整で改善できるケース
入れ歯の一部が当たって痛む場合や、軽度の噛み合わせのズレであれば、調整によって改善できるケースも多くあります。
まずは作り直しを前提にするのではなく、調整で対応できるかどうかを確認することが大切です。
作り直しを検討した方がよいケース
何度調整を行っても改善しない場合や、入れ歯全体が大きくズレている場合は、作り直しを検討した方がよいこともあります。
長期間使い続けている入れ歯の注意点
長年使い続けている入れ歯は、見た目以上に劣化していることがあります。
特に困っていないと感じていても、噛み合わせやお口の状態が変化していることもあるため、定期的なチェックを受けましょう。
噛める、痛くなりにくい入れ歯にするために大切なこと
噛める入れ歯を作るためには、見た目や装着感だけでなく、設計や管理の考え方が重要になります。
治療の段階から、長く使い続けることを見据えた工夫が求められます。
噛み合わせを大切に
噛める入れ歯にするためには、見た目や装着感だけでなく、噛み合わせをしっかり考えた設計が欠かせません。
噛み合わせが適切でないと、特定の場所に力が集中しやすくなり、痛みや外れやすさの原因になります。
噛む力をお口全体にバランスよく分散させる形にすると、安定した噛み心地につながります。
入れ歯の設計段階で噛み合わせを丁寧に確認することが、長く使いやすい入れ歯につながります。
お口全体を診た上での治療計画
入れ歯治療では、失った歯の部分だけを見るのではなく、残っている歯や歯ぐき、噛み合わせ、顎の動きなど、お口全体を診た上で治療計画を立てることが重要です。
部分入れ歯の場合は、残っている歯の状態によって入れ歯の安定性が大きく変わります。
そのため、入れ歯単体ではなく、お口全体のバランスを考えた治療計画が必要になります。
メンテナンス
入れ歯は、完成した時点がゴールではありません。
実際に使い始めてから、噛み合わせや当たり具合を調整しながら、少しずつお口に馴染ませていく必要があります。
また、時間の経過とともにお口の状態は変化します。
定期的なメンテナンスを行うことで、痛みや不具合を早期に発見し、快適な状態を保ちやすくなります。
生活習慣や使い方
入れ歯を快適に使い続けるためには、日常の使い方も重要です。
正しい着脱方法やお手入れ方法を理解していないと、入れ歯の劣化につながることがあります。
食事の取り方や保管方法など、生活習慣に合わせたアドバイスを受けることで、入れ歯の使い心地が安定しやすくなります。
入れ歯は「作り方」だけでなく「使い続けるための管理」がとても重要な治療です。

- 入れ歯が痛いのですが、調整は何回くらい必要ですか?
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個人差がありますが、作製直後は数回の調整が必要になることが多いです。痛みが出る場所や噛み合わせは使ってみて初めて分かる部分もあるため、遠慮せず早めに相談しましょう。
- 入れ歯安定剤を使っても大丈夫ですか?
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一時的に良くなる場合もありますが、合っていない入れ歯をごまかして使い続ける形になることがあります。安定剤に頼る前に歯科で原因を確認し、適切な対応を受けることが大切です。
- 入れ歯が外れやすいのは、作り直しが必要ということですか?
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必ずしも作り直しとは限りません。噛み合わせの微調整や、当たりの修正、土台の適合の改善で安定するケースも多くあります。一方で、入れ歯自体が劣化していたり、お口の形が大きく変化していたりする場合は作り直しを検討します。
- 入れ歯が合わない状態を放置すると、どんな影響がありますか?
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痛みで食事量が減ったり、歯ぐきの傷や炎症が続いて治りにくくなったりすることがあります。
- 違和感はあるけれど、痛みが強くない場合も受診した方がいいですか?
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強い痛みがなくても、違和感が続いている場合は一度歯科で確認することをおすすめします。わずかなズレでも、使い続けることで後から痛みや外れやすさにつながることがあります。
まとめ:合わない入れ歯、我慢しないで
噛めない、痛いと感じる入れ歯を我慢し続ける必要はありません。
入れ歯の不調は、調整や見直しによって改善できるケースが多くあります。
噛めるようになることで、食事の楽しみが戻り、会話や外出への不安も軽くなります。
快適な食事と日常生活を取り戻すためにも、違和感を感じた段階で、早めに歯科医院へ相談することが大切です。
一人で悩まず、まずは相談することが、より良い入れ歯治療への第一歩になります。
入れ歯の使い心地が気になる方は、お気軽にご相談ください。


